こんにちは。花籠陰陽堂の花籠です。
非常に湿気の多いこの季節。
特別どこが悪いというわけでもないけれど、モヤモヤする!スッキリしたい!ということでリンパケアを受けに来られるお客様がチラホラ増えました。
今回は、わたしたちの全身にかけ巡っているリンパについて触れていきたいと思います。
ところでリンパって、一体何なのでしょうか。

リンパとは?
「リンパの流れが悪い」「リンパが詰まっている」とよく言いますが、じつはリンパというのはリンパ管、リンパ液、リンパ節の総称の事を言います。
血液は血管を流れ、身体に酸素や栄養素を運ぶ役割があります。
血液の一部は動脈性毛細血管から滲み出し、身体の細胞の隙間に入り込みます。
細胞に酸素や栄養素を届け終わると新陳代謝物と加わり組織液となって再び血管に戻るのですが、一部の組織液は毛細リンパ管に入り、リンパ管に送られ、最終的には鎖骨下静脈に流れ込みます。
この脈管系を『リンパ系』と言い、その中を流れる液をリンパ液と言います。
赤い血液と違い、リンパ液は無色透明~乳白色のやや粘り気のある液体となっています。これは、血管から滲み出た血液には赤血球が含まれていないからです。(赤血球は大きいので血管から出られない)
リンパ管と血管の大きな違いは、心臓のようなポンプの役割をするものが無い事です。
その為、血液が心臓から出て全身を流れまた心臓に戻ってくるまでの時間は約1分なのに対し、リンパが全身から鎖骨下静脈に流れ込むのにかかる時間はなんと12時間から24時間と言われています。
心臓のようなポンプがないのにリンパ液がどうやってリンパ管を流れているかと言うと、リンパ管には血管と同じように逆流を防ぐ弁がついていて、弁と弁の間の収縮やぜん動運動によってリンパ液は流れます。
また、呼吸や筋肉、近くにある動脈の拍動や消化管の動き、マッサージなどの外からの圧力によってリンパの流れを助ける事も出来るのです。
男性に比べ女性のほうがむくみやすいのは、男性のほうが筋肉量が多いのでリンパ液を運ぶポンプ作用が大きいからです。
ではリンパ節はどういった働きがあるかと言うと、リンパ節はひざの裏、太ももの付け根、わきの下など全身に約600~700個散らばっています。
上半身のリンパ節は米粒大ですが、下半身のリンパ節は大豆粒大です。
リンパ管の途中に位置し、組織内に進入した細菌などの異物が血管に入り込んで全身に循環してしまう前にチェックし、リンパ球という免疫応答を発動して食い止める関所のようなフィルター機能を持つと言われています。
リンパ球が増殖するときにリンパ節が腫れるという現象が起こります。
喉が腫れたり、耳の裏が腫れたりした経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
たたかう!免疫細胞
そしてこのリンパ節が抱えているリンパ球が凄まじい働きを担ってくれています。
リンパ球は、3つの主要な種類があります。
T細胞とB細胞とNK(ナチュラルキラー)細胞です。
これらの細胞は、
病原体もしくは病原体に感染された細胞を最大限に排除したり
大量の抗体を生産して細菌やウイルスのような異物を中和化したり
これまでに遭遇した病原体を動物の一生を通じて記憶し、その病原体が再び検出されれば素早い応答を開始することができる
といった素晴らしい機能が備わっているのです。
しかし、前述したようにポンプ機能の無いリンパ管では全身をパトロールするには非常に時間がかかってしまう上に、運動不足、睡眠不足、食生活の変化などにより、わたしたちの身体の免疫機能は発揮しづらくなっています。

巡りの良いカラダでいるために
大きく生活様式を変えるのは中々難しいと思うので、まずは以下の項目の中から徐々に取り入れてみてください。
①朝起きたら白湯を飲む(暖かいお味噌汁やおかゆ、スープでもOK。)
内臓温度が上がりますし、水分を採ることで血液が巡り体内の老廃物を流し新陳代謝がUPします。
②丹田を意識して背筋・膝裏を伸ばし、少しだけ早歩き
激しい運動をする必要はなく、じんわり汗をかくくらいで大丈夫です。
前に足を出すよりも後で地面を蹴る方に意識を向けてみてください。
③ひとまず深呼吸をする
交感神経が優位になると呼吸は浅くなりがちです。吸うことが難しければまずは吐くことから。新しい酸素が体内に取り込まれ気が巡りますし、深い呼吸をすることで内臓が動きマッサージされます。
④お風呂は熱過ぎないお湯で肩まで浸かる
肩こりや腰痛のある方は全身をお湯に浸からせることで血行が良くなり、疲労物質を体外に排出しやすくなります。
沢山汗をかくのは身体にストレスをかけてしまうので、熱過ぎるお湯に長時間入る事は控えましょう。
あとはリンパマッサージなどでリンパ液の運搬を直接的に手伝うのも効果的です。力加減や流す順番・方向さえ間違わなければ、自分自身でも行うことが出来ます。リンパマッサージを行うことで血中のリンパ球の数が増えるという報告もあります。
むくみの原因が体内の不調から来ている場合もありますので、普段から身体に触れその変化を感じとり、循環の良い身体づくりを目指しましょう。