2020年「庚子」はどのような年になる?

2020年は子(ねずみ)の年ですが、正確には「庚子(こうし・かのえね)」の年ということを知っていますか?
※旧暦では2月4日より庚子の年となります。
干支は十干(じっかん)と十二支(じゅうにし)により構成され、その組み合わせは全部で60種類あります。
「干(かん)」「支(し)」には五行や陰陽、それらを象徴する意味が込められていて、これらの組み合わせによってその干支の傾向が見えてきます。
(詳しくは「干支の基本的な見方」で紹介しています)
つまり、その干支の年を知るにはシンプルに60年前の出来事を見てみれば良いわけですが、様々な流れや背景もあるので、単純にそれでお終いというわけにもいきません。
ということで、先ずは「庚子」のことを少し掘り下げてみましょう。
庚(かのえ)とは

庚(かのえ)は「金」と「陽」のエネルギーを持ちます。
陽金は剛の金属で、武器や刃物を象徴としています。
意味としては、革新、更新、判断のような、剣を振って物事を切り分ける、仕分ける、終わらせて始める、そのようなジャッジのパワーが特徴的です。
子(ね)とは

子(ね)は「水」と「陽」のエネルギーを持ちます。
陽水は変化と流動、知恵を意味する、大海、大河です。
子の意味と相まって、新しいことの始まりや、増える(拡がっていく)という性質があります。
庚子の年

そんなジャッジの力「庚」とスタートの力「子」が組み合わさることで、「何か新しいことをスタートする」、そんな性質となるのが「庚子」の特徴です。
しかし、大切なことは、全く新しいことが舞い込んでくる、というわけではなく、今まで継続してきた物事に対しての判断、変化が起こり、新しいスタートとなる、ということです。
では、以前の庚子の年には一体何が起こったのでしょうか?
60年前、1960年の庚子

東洋科学は「経験科学」とも呼ばれています。
先を知るには過去を見よということで、60年前の1960年に起こった出来事を調べてみました。
日本
・安保闘争、日米安保条約の改定
・池田内閣発足、所得倍増計画実施
(ちなみに世界では)
・アフリカで17か国が独立(アフリカの年)
・オリンピックで黒人初の金メダル
どれも、過去の流れを断ち切るような変革が強く出ています。
時代背景や、人々の意識による働きかけもあるので、一概には言い切れませんが、来年の日本でも上記のような今までにない大きな変革の年となるのかもしれません。
2020年の傾向

さて、そんな庚子の年は、「今まで継続してきた物事に対しての判断、変化が起こり、新しいスタートとなる」と書きましたが、特徴としてはジャッジからパワーが生み出されるということです。(金が水を生む「金生水」と言います。※詳しくはこちらの記事「五行思想の基本的な考え方」)
金が水を生む性質として、大きな水害や、自分自身のやりたいことを改める、組織の改編、コミュニティの移行などが考えられますが、それらをどうポジティブに捉えるか、そんな自分自身の価値観もジャッジされるかもしれません。
また、陽の動的エネルギーがそれらを後押ししていくので、じっとしていても勝手にその判断は迫られることになるでしょう。そして、実際に何を基準にジャッジしていくことになるのかは、2019年の「己亥」年に得た「自分と向かい合って分かったこと」となります。
2019年、真摯に自分と向かい合って来た方にとっては、とても明確なジャッジとなりそうです。
しかし、気を付けなければならないことがあります。
それは「判断を相手に振るわないこと」です。
人を判断することは、その人を剣で斬り付け、切り捨てることとなり、流れた血は自分自身の水を濁します。
判断の剣は、事象や意識、取り巻く環境に対して振るい、対人に振るうのは止めましょう。
そうすることで、穢れない金から作り出された純粋な水は、自分にとって、相手にとっての良い流れを生み出します。
皆様にとって良い流れの変革が訪れる2020年となりますように。
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