こんにちは、花籠陰陽堂 えんじゅ です。
2021年の干支は丑(うし)年ですが、正確には辛丑(かのとうし)年となります。※旧暦では2月4日より干支変わりとなります。
干支は十干(じっかん)と十二支(じゅうにし)の二つで構成されており、その組み合わせは全部で60種類。同じ丑年でも、十干の組み合わせによって「どのような丑年になるか」が変わるのです。
では、2021年の「辛丑」年はどのようなエネルギーの年となるのでしょうか?
2021年の十干「辛(かのと)」

十干(じっかん)とは、五つのエレメントである木・火・土・金・水を陽・陰に分類した10種類の要素です。昨今の「鬼滅の刃」ブームの影響で、この十干の言葉も聞いたことがある人が多くなりました。
その中で「辛(かのと)」とは、「金」で「陰」のエネルギーを表しています。
十干 | 読み方 | 五行 | 陰陽 |
---|---|---|---|
甲 | きのえ・こう | 木 | 陽 |
乙 | きのと・おつ | 木 | 陰 |
丙 | ひのえ・へい | 火 | 陽 |
丁 | ひのと・てい | 火 | 陰 |
戊 | つちのえ・ぼ | 土 | 陽 |
己 | つちのと・き | 土 | 陰 |
庚 | かのえ・こう | 金 | 陽 |
辛 | かのと・しん | 金 | 陰 |
壬 | みずのえ・じん | 水 | 陽 |
癸 | みずのと・き | 水 | 陰 |
(「干支の基本的な見方」参照)
金は金属や鉱物を意味し、陰は遠心性、拡散、精神性を意味します。辛は総じて「宝石、磨き砂」を象徴とし、「自分の内側にある本当の世界、秘めたる魅力」を表します。
また、十干は植物の生育のサイクルも表し、その中で辛は「植物が枯れて、これから新しい世界を築き上げようとする状態」を意味します。
2021年の十二支「丑(うし)」

十二支(じゅうにし)は、空間と時間の座標を表すものです。それぞれの中に、五つのエレメントや、陰陽、方角や状態を当て込み、そのサイクルを植物の生長変化に例えました。そして、一つ一つの特徴を動物の特徴と重ね合わせ、現在の十二支となったと謂われています。
十二支 | 読み方 | 五行 | 陰陽 | 方角 |
---|---|---|---|---|
子 | ね | 水 | 陽 | 北 |
丑 | うし | 土 | 陰 | 艮(北東) |
寅 | とら | 木 | 陽 | 艮(北東) |
卯 | う | 木 | 陰 | 東 |
辰 | たつ | 土 | 陽 | 巽(南東) |
巳 | み | 火 | 陰 | 巽(南東) |
午 | うま | 火 | 陽 | 南 |
未 | ひつじ | 土 | 陰 | 坤(南西) |
申 | さる | 金 | 陽 | 坤(南西) |
酉 | とり | 金 | 陰 | 西 |
戌 | いぬ | 土 | 陽 | 乾(北西) |
亥 | い | 水 | 陰 | 乾(北西) |
(「干支の基本的な見方」参照)
丑は、「土」で「陰」のエネルギー。土は山岳や大地を意味し、陰は遠心性、拡散、精神性を意味します。丑は総じて「平原、畑」を象徴とし、「柔軟な基礎力、信頼性」を表します。
また、丑は「芽吹く前の力、結び繋がっていくエネルギー」を意味します。
2021年の干支「辛丑」

木火土金水には、相手を生かす関係(相生)と、相手を抑える関係(相剋)があります。
2021年の干支、「辛丑」の持つ金と土は、「土生金」という土が金を生かす「相生」の関係性を持ちます。一見すると、相手を生かす関係は順調に、抑える関係は苦しい道のりに感じますが、果たしてそうでしょうか?

(「心と体のバランスを保つ①五行思想の基本的な考え方」参照)
様々な困難を目の当たりにした2020年の干支は「庚子」でした。庚子の五行は金と水の陽氣で、相性は「金生水」。金が水を生かす「相生」の関係です。
庚の持つ「ジャッジのパワー」が、子の持つ「増える、始まる」を産み出し、総称して「変革の年、革命の年」となったのです。つまり、生かす関係だからといって、全てが順調に進むかどうかは、そのエネルギーをどの立場・視点で捉えるかによって大きく変わるのです。(「2020年「庚子」はどのような年になる?」参照)
では、2021年の「辛丑」とは、どのようなエネルギーを持つ年となるのでしょうか?
「自分の内側にある本当の世界、秘めたる魅力」(金)が大きく発展する年となりますが、それには「柔軟な基礎力、信頼性」(土)を求められることとなります。言い換えれば、「自分の芯を保ちつつ、柔軟に対応すること」で、「自分の本当に叶えたい世界が発展する」こととなります。
また、辛の持つ「植物が枯れて、これから新しい世界を築き上げようとする状態」を、丑の持つ「芽吹く前の力、結び繋がっていくエネルギー」が育みます。
つまり、「新しいことが拡がることで、今までのことが終わる」エネルギーとなります。
この、「新しいこと」と「今までのこと」のヒントは、
今までのこと・・・2019年「己亥」で気付いたこと
新しいこと・・・2020年「庚子」で判断した世界
に在ります。
前述した通り、全てが順調に進むかどうかは、そのエネルギーをどの立場・視点で捉えるかによって大きく変わります。
2021年のキーワードは「むすひ(結び)」です。
自分の本当の気持ちは何なのか? 今の気持ちはどの未来に繋がっているのか? それらを実感しながら行動することは、自分の中の信頼と大きく結ばれます。
自分の信念と繋がっている人は、第三者から見てもきっと魅力的に映ることでしょう。

表面的な儲け話、人とのやり取りからは、それ相応のエネルギーしか生まれないし、そのような人との結び付きで集団や組織が作られていきます。物質現象(何が起こるか、何が手に入るか)は、自分自身の価値観や視えない魅力と、モノ・コト・ヒトの結び付きの結果に過ぎません。
2021年は、自分に対する意識が深ければ深いほど、求める世界と密接に繋がり、拡がっていく、そんなエネルギーとなりそうです。
60年前の1961年「辛丑」

干支は60種類あり、それぞれにエネルギーが詰まっています。つまり、その干支の年を知るにはシンプルに60年前の出来事を見てみれば良いわけです。
実際には、時代背景や時流、宇宙のサイクル(太陽系や銀河の廻り)もあるので、シンプルに全く同じというわけにもいきませんが、60年前にどのようなことが起こったのかを知ることで、その中に内包されたエネルギーをある程度参考にすることが出来ます。
天災
異常気象が既に「異常」ではなくなってきているので、これは2021年に限ったことではありませんが、1961年には「第二室戸台風襲来」、「梅雨前線豪雨」、「日向灘地震」などが起こり、大きな被害をもたらしています。
政治
「第二次池田内閣発足」や「ジョン・F・ケネディ大統領就任」などによる大きな指針の転換や、「釜ヶ崎騒動」、「ベルリンの壁の建築」、「ピッグス湾事件」など、分断や二分化を引き起こす出来事が多く起こっています。これは、本当の自分を求めて行動した結果、それらが思想の分断を起こしてしまったのかもしれません。
文化
1961年は、人類の古代からの夢である「宇宙」の概念を大きく突破した、「ガガーリンの人類初の有人宇宙飛行」が行われた年でもあります。これを機に、宇宙への可能性が大きく飛躍し、今後の宇宙工学、天文科学に多大な変化を与えることとなります。
2021年の生き方

2021年は、「新しいことが拡がることで、今までのことが終わる」とありますが、その過程で生まれるであろう大きな「分断」が特徴となります。
自分の理想と結ぶ付き、拡がっていく中に潜む、「あの人はあっちだから」、「自分はこっちだから」などの、人を判断する感情に注意を祓う必要が在ります。
前述した通り、2021年のキーワードは「むすひ(結び)」です。紐を結ぶ際、素材や、目的に応じて、結び方、結ぶ強さは変わります。もちろん、自分の持つ氣質や性質、原型によっては容易に感じたり、困難に感じたりすることでしょう。
自分にとっての反対意見も、相手にとっては正義です。コロナウィルスや、選挙などで、お互いの思想を断ち切る時流も感じることでしょう。他者の正義感や不動心を完全に理解することは出来ません。それはつまり、表面的に相手を判断してはいけないことも意味します。
「万象調和(ばんしょうちょうわ)」。凡ての存在と、どう結ぶのか? お互いの思想や行動を、ただ認め合える世界を想像することが、これからの未来をクリエイトする重要な鍵となります。
2021年があなたにとって、大きな「むすひの年」となることをお祈り申し上げます。
彌榮